日本は世界有数の森林国と言われています。
けれど,日本国内で人間の手の入っていない原生林はわずかです。
ほとんどの森林は生活の為に手を入れ丁寧に世話をしてきました。
特に森を守るという意識ではなく、生活の為に広葉樹を植え、伐採し、落ち葉を拾い暮らしてきました。
それが結果として人間を含め動植物の暮らしを豊かにしてきたのです。
私が作りたい庭も同じです。
先日、庭の管理を新しく依頼されました。
生き物をとても大切にされている方達です。
その庭はとても広く様々な樹木が植えられています。
一人ばえの樹木でさえとても大きく育っておりました。
今まで管理をしていた業者さんが体調を崩され一年あまり手つかずの状態だったそうです。
そのためどの樹木も居心地が悪そうでした。
カイヅカイブキは剪定後に古葉を落とさないと中が枯れ込んできます |
庭も作った当初は手入れはほとんど必要ありません。
何故かと言えば樹木は移植によって切られた根を修復するのに力を使うからです。
けれども、3年を過ぎれば樹木は今まで以上に育ってきます。
なんたって、望まれて来た家ですからのびのび成長します。
ここで必要になるのが人間の手です。
自然風の庭なら剪定なんていらないんじゃない?と思うかもしれませんが、元々里山だって手入れをする事により美しく、且つ効率的に育ってきました。
思った以上にすくすく育つ植物もあれば、な、なんで??というような成長の植物もいます。
そこで、予定外に成長の早い植物を切り戻し、期待通りでない植物の成長を促す剪定を行います。
これはその場所に植えられた植物全てが、気持ちよく大きくなれるように必要な手入れです。
植えた時の状態を保つ為の剪定ではありません。
私の中では全ての生き物が気持ち良く行きていける様に散髪?をしていると思っています。
剪定枝は処分しますが、場所があれば堆肥にしたいものです。
落ち葉を拾い、ゴミとして処分し、お店で堆肥を買うのって変じゃないですか・・・
落ち葉、とりあえず所々に集めました。トカゲが集まってきました |
A様庭、剪定をしていたらスズメたちがたくさん飛んで来ました。
日光が入るようになり、エサとなる昆虫がよく見えるようになったり、視界が開けて安心したのでしょう。
大小様々な大きさのトカゲたちもあちこちで活躍中です。
生まれて初めてトカゲがミミズを捕獲し食べている姿を目撃しました。
みんなのんびりしていました |
そして、ここならいるだろうとビクビクチェックしたら、やはり見つけてしました。
手足の無いトカゲ・・・
ヘビです・・・
「・・・・・っぎゃ〜〜〜〜ヘビっっ〜〜〜〜」と普段はのろのろしている私が飛び上がりました。
可愛いトカゲと似ているけど手足がないじゃん!
唯一今のところフレンドリーになれない相手です。けれど克服したい。
何も私に危害を加える訳ではありません・・・。
ヘビを目撃したと報告したら、思った通りA様はうれしそう。
このように私の日常は生き物たちと一緒に過ぎていっています。
観察していると人間も昆虫も同じようにドキドキしたり、ゆっくりしたりして生活しているのがわかります。
何よりも驚くのは人間が昆虫を見ているように、昆虫も人間を観察しているのです。
この人は大丈夫と思えばのんびりしているし、危険と思えば逃げていきます。
この中に昆虫がいます わかりますか? |
先日、半年限定コースで行ったガーデニング講座の感想で言われました。
「今までは、私は私の世界で生きて来て、虫は違う世界に生きていました。
でも、このガーデニング教室に参加して今は自分と昆虫は同じ世界に生きています。」
と言う感想を言われました。
心から嬉しかったです。
そう、庭にいると実感します。
みんな一緒だな。
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