2013年5月28日火曜日

イギリスにて思った事

極寒の!?イギリスより帰国いたしました
今年はイギリスも異常気象でアウターへブリディーズではまだ芽吹きが始まったばかりでした。

Harris地域はこの景色がずっと続きます

芽吹きといってもものすごく寒く真冬使用の必殺5枚重ね使用でも寒いくらいでした。
スコットランドの冬は風が強く、その風もまだ収まらず風向きによっては息が出来ないほど。

何もないので雲の陰がはっきりわかります


ロンドンに戻っても寒く、もう暮らして20年になるNちゃんもこんな寒いチェルシーフラワーショーは初めてだよ〜とダウンを着ていました。
そう、そろそろだと思っていたチェルシーフラワーショー(イギリスで人気を誇るガーデンショー)は私がロンドンに戻った次の日から開催されていたのでした。

・・・で私はいったのか?
行ってません。

空と海 色が美しい ガードレールなんてどこにもありません


イギリスに住んでいた時は行ったのですが、ショーガーデンには残念ながら全く興味がないのです。
大体最近の人の作った庭にさえ、興味がないのにわざわざショーの為の作り物の庭を見に行く時間なんてない。
ショーガーデンに興味が無い理由は「庭」はその特定の場所で時間をかけてその良さを作り出していく(出されていく)のだと思うからです。

私は「地に足のついた」ものが好き。 
ああいった物はなんか「ぷかぷか浮いている」感じがするのですが・・・

島中子羊が飛び跳ねていました


イギリスの学校時代の先生が出展してるから言ってきたら?と言われても「ふ〜ん」
あの先生昔はチェルシーなんて行く意味ないよと言っていたのに、やっぱり自分で学校作ったから人集めしないと行けないんだ・・・と思うくらいの事です。

私のロンドンの目的はショッピングですから!とNちゃんにもご主人のステファノにも言いきった私です。
あまり私は日本デザインの洋服が好きじゃなくて(流行を追うのが好きじゃないのです)高級ブランドにはやはり興味ありませんが、向こうで普通に売られている洋服の色やデザインが好きなのです。

ハイランドという種類の牛 寒いので毛が長い



そして日本に帰る為にヒースローで搭乗を待っていた時にHPに載せてあるDさまから電話が入りました。
大抵皆さん私が電話に出られない時が多いのを察してメールを打ってくださるのですが、Dさまは友人の紹介ということもあってメールアドレスを知らないので電話をくださいます。
年に2,3回は管理に伺っているお宅です。
ぼうぼうになっちゃった〜とそろそろ連絡が入る頃だと思っていたので、いつも通りお話をしていました。

そうしたら、「今年は何だかいつもと違うんです。モサモさしているんですけど、なんだかすごく良い感じなんです。これが聖子さんが言っていた状態なんだってわかりました。こうゆう風になるってわかって作って、管理してくださって本当に嬉しいです〜」とのあまりあるお言葉を頂きました。

こんな北の果てなのに透明度の高い海


そうなのです。
私が目指しているのはこのような「庭」なのです。
キラキラしてぱっと見てきれいじゃなくて、日々の生活の中で時間をかけてゆっくりとゆっくりと年月をかけて完成されていく庭。

鳥の運んできた種や、植えられた樹木から種が落ち、人間では植えられないような場所に芽生えてきて創り出される「美」

それを草取りの中で残したり、困る場所に這えてしまったのは「ごめんね。」と言いつつ抜いたり・・・・

「庭」は建築やインテリアと違い生きている物達で構成されています。

Black Houseと呼ばれる家 セルフケータリングで実際に宿泊できます



完成はないのです。
常に変わっていく。

それがいつまで経っても私にとって「庭」が新鮮で魅力的であり続ける理由なのでは?と思いながらガラガラの飛行機で4人分のシートで横になりながらあつ〜い日本に戻ってきました。











2013年5月13日月曜日

留守にします

なんだか、心苦しいのですが、14日(火曜日)〜23日(木曜日)まで留守にします。
今回はスコットランドに行ってきます(また?)




JALのマイレージがたまっているのです。
去年も一昨年もマイレージの期限が迫り、両親に国内旅行をプレゼントした私。
ありとあらゆるポイントをJALに移行させて頑張っているのに、毎回プレゼントでは親孝行ではあるけれど、何か不本意・・・


ただ、仕事がぎゅーぎゅーで3月も4月も休みは1日づつしか無かった私。
こんなんで行って良いのかしら?とも正直思っています。

けれど、遠くに行くのには体力が必要です。
これからどんどん年を取っていくと行くのが困難になってくる・・・と自分の中で肯定をし続ける私です。

そう、スコットランドといっても、行くのはアウターへブリディーズという諸島ですが
まず、セントレア→フィンランド ヘルシンキ→イギリス ロンドン(飛行機の都合で一泊)→グラスゴー→ストーノウェーと飛行機を乗り継ぎ乗り継ぎ到着します。

勝手なイメージですが、イギリス人が東京にきて礼文島に行く感じではと思っています。

そこまでしていかなくても〜と言われそうですが毎回書くように、私は古代の人間が作った石積みやら、その荒涼とした木が育たない風景に無性に惹かれるのです。
日本とは対極にあるくらい貧しい植生です
何故このような草も育たない土地で紀元前の人々はこのような石を積んだり立てたりしたのだろう・・・・

強く冷たい風、風の音しかしない風景、人間がほとんどいない中にひっそりと立つ石積み
そして、広い空と瞬間的に照る太陽の光のまばゆさ(すぐ曇って雨が降りますが)。
あの独特の空気は実際にいってそこにたたないとわからない空気感です。


アイルランド2012

そこで孤独を感じるのが心地よいのです。


また、食事が美味しい事も外せない。
牡蠣やムール貝の美味しい事といったら・・・
肉類だって海藻を食べたりピートで育った牧草を食べているので驚く味です。
イギリスは食事がまずいと言われますが、それは残念ながら食べる場所と種類を知らないだけでは・・・。


昨年のアイルランドの牡蠣 ムール貝 そしてアイリッシュシチュー(絶品でした!)


更に、今回はロンドンの庭の学校で一緒に勉強をしたNちゃんの家にも寄ってきます。
彼女は日本に帰るという選択をせずロンドンで頑張り続け現在はイタリア人のご主人と
Vallebonaというイタリア食材店(ご主人の出身地サルディーニア島のものが多いらしい)を経営しています

彼女が年一回イースター休暇に日本に帰ってくると会っていましたが、彼女の家に滞在するのは初めてです。

今回は思いきって一眼レフも持って行きます。
少しでもあの空気感が収められると良いのですけど。
















2013年5月11日土曜日

振り袖

振り袖を着ました。
といってももちろん私ではありません。

姉の子供が成人式用の写真を撮ることになり、当初は私の振り袖を着るということになっていたのですが(姉は当時、要らないと言って振り袖を持っていません)「古い 良き物」でも画像を載せた振り袖が登場したことによって、どちらを着るかということになりました。

今のところ決まっている着用機会は2回です
成人式と、大学の卒業式。

大学の卒業式となれば袴を着るので、どう考えても私の振り袖に合わせた方が良いのです。(実際私も卒業の時に自分の振り袖と袴を着ました)
だって、私の着物は緑色でそんなに立派ではありません・・・

もちろん自分で選んだ着物なので今でも気に入っていますが、70年以上前の贅を尽くした着物には足元にも及ばないのは事実です。

姉の子供は、もし自分が道楽するなら「着物道楽をしたい」と発言するくらい着物好きらしいのです。

よって、喜んで私が頂いてきた古い古い振り袖を着ることになりました。

今まで長い間暗い箪笥の中で眠ってきた振り袖は、久々に太陽の日を浴びてそれはそれは輝いていました。
やはり着物は着てこそ、その美しさが発揮されます。
着付け先でも、写真屋さんでも驚かれたという質の良さは70年以上経っても、いえ昔の着物だからこそのものでしょうか。

背が低いので柄が綺麗に出ないのが残念 とても背が高い人だったようです



おそらく、婚礼の時に着たと思われるめでたい柄に振り袖は二つ紋。
これが襦袢ですか?と驚かれた襦袢は五つ紋が。

襦袢すごくすごく美しい



あの時にお願いしなかったらとっくに処分されてしまった着物。
まだまだ他の人にも着て欲しいとしみじみ思いました




2013年5月4日土曜日

雑草?野草?

私の家の北の庭はとてもゆるい場所です。
玄関側と中庭はこざっぱりとしていますが、北の庭は全く私の心の庭。

私が植えていない植物達も元気に暮らしています。
よく言えば「野草」。
普通に言えば「雑草」。
全く手を入れていない訳ではなく、自分の中で取捨選択はしています。



もう少し日が入った方が良い場所は剪定したり、繁殖力の強すぎる種類は抜いたり・・・
庭に興味のない人がみたら本当に「何これ?貴方の職業は本当に庭をつくる事?」といわれそうな風体です。

先日3名のお客様がBar 蜘蛛の巣にご来店くださいました。


一人はバラをこよなく愛しているギャラリーモナのオーナー清水様。
それ以外はグリーン主体がお好みなのだそうですが、現在はどちらかと言えば「花が綺麗に咲く庭」です・・
やはり、色は目立ちます。
花とグリーンの比率は結構グリーンの比率を高めないとグリーンが負けてしまいます。



それがちょっと気になっており管理を通して好きなように変えていってくださいと有り難いお言葉を頂いております。

我が家の北の庭を見て頂き、ボサボサの愛おしい私の庭を褒めて頂きました。

「森だ〜」




今はカラスノエンドウが繁茂している北の庭を見て自然農法を実践しているUさん曰く、「カラスノエンドウは自然農法ではすごく大事で、種も品切れになるくらいなんですよ」



え?カラスノエンドウの種売ってるの???


私が好きなように管理を任されている庭ではカラスノエンドウは普通に這えています。
カラスノエンドウやホトケノザなど春を代表する野草はその季節だけ姿を現し、それ以外の季節はひっそりと姿を隠しています。

どうせすぐ姿を消してしまうのでそれらを目くじら立てて取るより、繁殖力の強い草を選んで取った方が楽です。
それに春の野草は可愛い姿をしています。




でも、皆さんどの草がどのような性質で、どんな成長をするかわからない場合がほとんどなのですよね・・・・

今までにも書いていますが、その場所に這えている草をみればその土地の地力がわかります。
何気なく見ていればただの雑草地に見えますが、それぞれ痩せた場所に生える草、肥えた場所に生える草は別れています。
そして、地力が変われば生える草も変わってきます。



私には普通にそれらが見えます。
これは子供の頃から草取りが好きで地面に這いつくばっていたお陰でしょうか・・・?