2012年2月27日月曜日

春見つけました

北の庭は自由な庭

自分の欲しい庭をつくるべく?ほとんど手を入れていません。

庭は本当に好きで好きで、何か手を出したくてうずうずしているのですが、何もやる事がありません・・・・

なので庭のなかをウロウロしては何もする事がないな・・・と思い部屋の中に戻る生活でした。

けれど、庭が動きはじめました。
そう 春が少しづつやって来ています


この冬は寒かったせいで梅の開花は周りと同じで数週間は遅かったのですが、ちらほら咲きはじめました。




元々植わっていた日本水仙は年末くらいから咲いていますが、西洋水仙はやっと葉が出てきました。



フキノトウも動いています

個体差が結構あります



畑ワサビはつぼみが・・・・


ミツバはまだ寒そうです


たまに冬は花がなくて寂しいと言われますが、じっくり観察すればいつだって楽しみは見つけられます

とはいってもやる事がないのは一緒なんですけど・・・

2012年2月20日月曜日

相手に任せる 任されるという事

先日、京都の友人と話をしていました。
彼女のご主人は板前さん。
よくは知らないのですが(聞いても忘れる)多分とても腕の良い職人さんみたいで、ずうっと懇意にしてくださっているご夫妻が東京から3日間その板前さんの食事を食べる為にくるそう(!)毎回その方達が来るとなるとご主人はどういった料理を出すかずう〜っと考えているらしいのです。

その時期の旬のもの、組み合わせ、本人たちの好み、etc・・・
板前と客との真剣勝負です

いかに満足してもらえるか、今度はどのような料理を出してくれるのか
満足できなければわざわざ東京から食事には来てくれません。
私はこういった勝負が好きです。
お互いが相手を信頼して更に良いものを追求していく・・・

だから?(ただめんどくさい?)ビュッフェ形式とかあまり好きではありません。
ビュッフェは誰が食べるのか考えずに作られた料理です。
そして自分で好きなものを選んで見栄えの良くないプレートになるのは、悲しいのです。
料理は美しくあるべきだと思いますし、組み合わせも大事です。

信頼できる料理人の作る料理は相手のことを思って作られているはずです。
まさに職人仕事です。


私が自分で仕事を始めた時に考えた事は「プレタポルテではなくオートクチュールを作る」ということでした。
決して値段という意味ではなく、それぞれのニーズにあった庭を時間がかかっても依頼主が想像以上の仕上がりと感じて頂ける仕事をするということです。



相手のご要望をきちんと聞き、私の中で消化して相手の望む事をそれ以上の形にしていく事がものすごく楽しいし緊張感があります。


全て相手の言う通りにしたのではお金を頂く価値がありません。
私は庭をつくるのが職業なのですから、相手の想像以上の事をしていきたい。

リフォーム前の様子



現在、リフォーム中の岡崎市のA様邸。
本当は去年中に終わる予定でしたが、実際スタートできたのが今年に入ってからという本当に申し訳ない現場です。
ご要望はお聞きしましたが、「森の雰囲気」というくらいでした。
何度もお話をして先方の考える「森の雰囲気」を考えてリフォームも中盤に入りました。

何しろお忙しい方たちなのでほとんどお会いできませんが、先日久々にお話をしたところ、「こんな風になるのなら、もっと早くやってもらえば良かった。母が10年寝たきりだったから」といわれました。
そう、庭はお母様が寝ていた部屋から一望できるのです。

このような一言を頂けると心からこの仕事をしている喜びを感じます。

相手に任せるのは勇気がいります。
そして任されるという事は決められた事を行うよりずっと責任が出てきます。

私なりの真剣勝負です。

2012年2月5日日曜日

時がかかるから・・・

私は着物が好きです。
一時は現場に行かない日は必ず着ていたほど。


でも、例の集中豪雨で着物が一枚も残らず流されてから憑き物が落ちたように着物から離れていました。

それでも、何やかと着物を頂き、既に箪笥一竿には入りきらない状態に・・・
そして昨年からお茶とお香を習い始めたお陰でまた着物が短近になりました。

別に洋服で行っても問題ないのですがやはり所作が着物を前提としているので着物を着てお稽古をした方が覚えやすいのです。

以前の着物はアンティークの大胆な柄やあの独特の絹の感じが好きで古いものばかりでしたが、頂いた着物達はそりゃお古ですが、お稽古にぴったりのいわゆる色無地や小紋、紬など・・・
以前はこんな感じ



あれやこれやと合わせて着ていますが、どうしたって頂き物なので着物と帯が合わないことも多々あります。
新品の着物や帯などそうそう誂えられる訳がないのでオークションなどで中古着物や帯をチェックしています。

着ていく場所はお香とお茶なのでどうしてもそこに合ったものに目がいきます。
すると以前は大好きだった着物よりどうしても地味なものに目がいきます。
派手な柄の着物だと帯が難しい・・・
やっぱり着物は色無地かそれに近い柄が目立たないものを選び、帯で決めた方がかっこいい。

お茶で一緒の遊狐草舎のAちゃんは家業が西陣の織元さんだけあっていつも素敵な着こなしです。(良いものを着ているという事も大きいでしょうけど)


たまに年をとるのがやだな〜と耳にする事がありますが、私は違います。
若い子の着物も初々しいけれど、着物は年齢を重ねた方が似合うと思います。
しっとり感があるというか、絹の柔らかさと年齢なりの落ち着きが重なるというか・・・
(まあ、着慣れていないと一緒ですけども)

お香でたまにご一緒になる70歳代くらいのお茶の先生。
それはそれは粋に着物をお召しになっています。
とても美しく品があり、着物が既に体の一部のようです。
あの雰囲気は若い子には出せません。

樹木だってそうだと思います。
若木は勢いはあるけど趣が足りない。

その土地で風雪に耐え、時間を掛け、風情が醸し出されるようになる。


庭も人もそのように成長していきたいものです。