2026年8月30日日曜日

自然との共生

最近、消毒について考えていました。





 私が携わらせて頂いている庭では消毒はしません。

消毒はすべての昆虫を殺してしまうからです。

消毒で全てリセットし、しばらくするとまた虫が飛んできて卵を産み、消毒を繰り返す...。

そんなことしなくとも少し我慢をしていれば天敵が虫を食べてくれます。



私は庭という人間が作った空間であってもなるべく自然の循環を作りたいと思っています。

いわゆる害虫と言われる虫だって自分が食べることによって植物が枯れてしまったら生きて行かれません。

よくしたもので、丸ハゲになっても植物は復活してくれます。(鉢植えだと根の成長に限界があるので枯れることがあります)

人間が余分な手を加えなくても共生しているのです。

害虫と言われる昆虫でも生きているからには意味があるはずです。

ただ、植物を愛するあまり?虫の食害があると過度な心配をして消毒してしまう方もおられます。

何も考えず、「消毒は必要」 と考えている方もおられるかもしれません。


確かに植物愛が強い人には害虫は許せないかもしれません。

じゃあ自分はそうではないのか?

もちろん植物はとても大切です。


先日伺った庭にタマムシが居ました。

午前中に気がつきましたが、夕方帰るまで同じ木で10cmほどの距離を行ったり来たり、止まったり。

何しているんだろう?と考えながえら帰宅し、タマムシの生態を調べていました。

そして気がついた。

私は植物好きだけど、そこに暮らしている昆虫や野鳥も同じくらい大切なんだ。

もちろん共生という意味においてもそうですが、同じ生き物として大切なんだと....。


タマムシ



庭仕事をしていると人間なんて大したことないなと毎日思います。

AIは天気予報はできても天候は作れません。

私たちは与えられた天候の中で右往左往しているだけです。

植物や昆虫、動物だって同じです。

世界的規模で見たら私だって庭に住んでいる昆虫と何も変わらない。

自分と変わらない命を簡単に殺したくない....。

この仕事をしていると少しずつですが謙虚になれてきたような。


先日のアイルランドでの皆既日食、友人が送ってくれました


カッコ良いことを言っているようですが、それでも草取りはします😅

これも命を奪っていることは同じです。

長くなりそうなので次回は草の話を書きたいと思います。










2026年8月22日土曜日

植栽デザイン

私が庭の勉強をしたのはイギリスです。 
 でも私が作る庭を見てイングリッシュガーデンという人はあまりいません。 (先日も庭を作らせていただいて6年目になるお客様が私がイギリスで学んだと聞いて驚いていました...そう?) 
HPのコンセプトにも書いてあるのですが、イギリスではイングリッシュガーデンはこうですと言う勉強はありません。

毎年楽しませて貰っている純白のハス


 大抵の方が実際のイングリッシュガーデンを見て感激するのは植栽デザインの美しさにあると思います。
 私も学んでいた時に思っていたのはその美しさです。
 しかし、帰国し目の当たりにしたのは日本でしかも東海地方という立地で冷涼な夏、零下にはならない冬という気温変化の少ないイギリスの植栽デザインを実現できるのは4月〜5月初旬のわずかな期間のみということ。

 元々、私がイギリスでガーデンデザインを学びたいと思った理由の一つは大学時代に短期語学留学でイギリスに行った時に緑が多く土が見えないということがあります。 
 日本では綺麗に掃き掃除された土の部分もまた美の要素です。
 でも20代の私は土の見えないグリーンの絨毯に感動しました。
 (実際、今も裸地はあまり好きではなく植物が繁茂している風景が好きです。)


 イギリスの植栽デザインは無理であってもこの地域だからこそ可能な豊かな植栽デザインはできるはず。 
イギリスのように春から秋まで花が咲き乱れる風景は作れないにしても、この気温変化の大きい日本だからこそ、植物を選べば年間を通して庭のどこかで花が咲いている風景なら作り出せると考えました。
 人間は常に上を向いている訳ではなく、下ばっかり見ている訳でもありません。 
ですが空を見上げるのはかなり頭を上げないといけませんが下は少し顔を下げれば視界に入ります。


2週間でこの姿



 私はそんな視野の中で心地よい空間を作り出したい。
 日本では今、『雑木の庭』が流行りのキーワードになっているようです。 私の庭を雑木の庭と表現される方もおられるとは思いますが私の中では、雑木の下に植っている植栽に注目して欲しいと思っています。
雑木も大事だけど下草はもっともっと大事☺️ 

 イギリスの庭作りで大事な知識は主に宿根草です。
 そして日本では植木の知識。
 私が作りたい空間はどちらも不可欠な知識です。
 樹木の花の咲く時期、成長速度、耐暑性... 宿根草の耐暑性、成長速度、耐寒性... 
 それらを組み合わせて植栽デザインを考えます。
 他の人は知りませんが私が庭のデザインで一番時間をかけるのがこの部分です。
 それぞれの庭の環境を踏まえながら葉、花の色や形、最終成長樹高、常緑、落葉、耐暑性、耐隠性etc... 
考えているときはものすごく集中しています。

我が家の酒豪?




 それでも、まだまだ勉強の毎日。
 おそらく終わりのない勉強。
一つ謎が解けると、また新しい謎が出てくる。

飽きてる暇がありません