2019年3月21日木曜日

健やかに育つ

もう3月中旬!
本当に年々日にちが過ぎるのは速くなっていきますね。

 乗馬を始めたとは何回かブログで書いていますので、ご存知と思います。
まだまだ、初心者なのですがそれでも心の変化は感じています。
当たり前ですが、乗馬はオリンピック種目にもなっているスポーツです。そして、唯一動物との競技です。
今年の黒椿 2週間は早い開花でした

始めた当初は馬が生き物とは認識していましたが、相手(馬)の感情なんて考える余裕はありませんでした。
やっと最近馬の感情について考える事が出来つつあります。
人間の言葉は話さなくても、当然感情はあります。

乗馬は相手の気持ちを理解して、その上でこちらの希望を伝えなくては成り立たないスポーツなのです。
指示が伝わっていないのか、伝わっているけどやりたくないのか。
そのため、人の上に立つ人が習うと良い?と言われているそうです。

五色椿 一本の木に色が咲き別れます



私は人の上には立っていませんが植物と接していて同じだなあとこの頃思い始めましsた。

相手(植物)の性質を理解して相手がストレスなく育つ環境を私たちが提供出来なければ、上手く育ってくれません…
そして、自分のしている日々の管理が相手にあっているか感じ取らなくてはいけません。

植物を枯らすのが得意なんです〜と割と耳にします。
なぜ、枯れるのか?

簡単です。
相手のしてほしいことをしていないから。

解体する庭から頂いてきた水仙 今までの最高の花つき

植物の嫌がることをしているから枯れてしまうのです。
植物がしてほしいことではなく自分がしたいことを植物にしているのですよね....。
どうして欲しいかわからないから自分が良かれと思ったことをしているのかもしれません。
どうすればわかるようになるのでしょう?

日本に自生している植物ならその生育地をよく観察して同じような環境を作る。
外来種なら原産地を調べる。

私が庭作りを依頼された場合お客様のご要望をお聞きし、その環境にあった植物を選んでいきます。
好きな植物でも育たないならお伝えします。
(対処法があればもちろん対処します)

無理な植物を植えても幸せな結果は待っていません。

ふきのとうは柿の木の下が大好き


我を通しても良くないってことですね。
動植物を通して日々色々なことを教わっています。

毎日ありがたい。










2019年1月31日木曜日

久々の石積み

私は石積み好きです

最近のヨーロッパに行く目的はほぼ石積みを見るため....


ヨーロッパなら石積みは日常的なものです。
土地の区切り、土留め、住宅に至っても。

しかし、日本では建築はもとよりよほど広い敷地で、ありとあらゆる条件が揃わない限り土地の区切りに石積みが採用されることはありません。

よって、日本での石積みは門柱やオブジェ的に?庭に鎮座することが多くなります。
門柱は良いと思いますが、庭の真ん中に石積みが必要?
私の庭にはいらない。
だから必要だと思わない限り勧めません。

私は外構もやりますが、どちらかというと外構は出来上がっていて純然たる「庭」部分の依頼が多いので石積みを提案することはあまり多くないのです。


まだ建物が完成しただけです...

現在進行中のこちらの現場。

1月27日に喫茶店「天」がオープンしたSOUL CONNECTIONという施設。
7年ほど前に自宅庭のリフォームからのご縁のオーナー夫妻が地域貢献のための施設として岡崎市稲熊町に建てられました。

珍しく?石積みが必要となりました。


立って写しているので形が正確に写っていませんが円柱です


最初は弁天さまを祀る祠の土台です。
この先に石積み完成
祠は2月2日に設置予定。


天空の喫茶店「天」

絵画に見えますが奥は本物の空

庭部分の整備も徐々に行う予定です。
石積みもまだ必要な箇所があります。

美容サロン、習字教室、着付け教室など色々な教室もあります
私は外部分で、みなさんが楽しめる空間にできるよう妄想中です

喫茶店は朝8時〜13時、夕方17時〜20時営業とのこと
天気の良いに行って景色を楽しんでください









2019年1月3日木曜日

あけましておめでとうございます 2019

新年あけましておめでとうございます
2019年がはじまりました







昨年の目標であった乗馬はデビューを果たしました
年末はさすがに時間が取れなかったので1月2日には早速乗馬に望んだ私です。
仕事以外の趣味が出来ました。

年末剪定の際にもう10年以上のお付き合いになるお客様と話しをしていて今更ながら気がついたのですが、本当に庭仕事が好きです。
身体が辛いとかはありますが、他の職業についていたら?とか、辞めたい!とか思ったことは一度もないどころかいつも楽しくてワクワクしています。

有り難いことです
それを実現させてくださっている皆様に心から感謝です。


さて、年末に考えていたのですが庭仕事は庭を造ることと、剪定作業があります
どちらも楽しく、どちらも大切なのですが気がついたこと。


庭をつくるのはプラス(足し算)
剪定はマイナス(引き算)


算数を習うのも足し算からです
引き算のが難しい


作るときは常にプラスを考えます
ここにこれを作り、植え、数年後にはこう成長し....すべて足し算。

剪定作業はこの枝を切るとここに陽が入り、こっちの枝が伸びて...引き算後の足し算が必須です。

究極なのはどれも正解が一つではないこと。
毎回、毎日、自分が思える一番良い正解を考えます。

考えても相手も生き物なので思い通りになるときもあればそうでないときも。

飽きようにも飽きるはずがないですよね!


今年もどうぞよろしくお願いいたします








2018年11月27日火曜日

年末剪定

仕事を20年続けていれば当然、手入れの仕事も増えてきます
庭を作らせていただいたお宅はもちろん、剪定のみの方々も。

ヤブコウジ、十両とも言います 

先代からの仕事を受け継いているところなら剪定業務だけで一年が過ぎていくそうです。

私はそんなことはありませんが、それでも11月からは年末剪定に専念します。
基本、工事はお休み。
やはり日本人、きれいな庭で一年を迎えたい方が多いのです。

依頼順にスケジュールを組んでいきます。
それでも天気などにより思いどおりにはいきません。

一日で終るところもあれば、何日もかかるお宅もあります。


毎回思うのは庭は造ることも大事だけど、維持管理が本当に重要だということです。

こちらは今年で11年目の碧南市のS様邸。



出来たときからずっと面倒を見ています
手前味噌ですが、写真ではここの真の美しさは収まりません。
普段から庭を慈しみ、信頼してご依頼してくださるS様ご夫婦に感謝。

大きくなりすぎたものは切り戻し、鳥さん造園部が落として発芽したものは残したり、ご遠慮願ったり....。


年末はカレンダーと天気予報を見比べての、精神的にも肉体的にも中々大変な時期ですが、やはり楽しい日々ですね


2018年11月6日火曜日

楽しい、うれしい、仕事、大好き

新しく管理を任されたとあるクリニックさま。

これだけはやってほしいということ以外はお任せしますとのことでした


新しく建てた場所ではなく、以前は他の人の持ち物だった建物と庭。
こういった場合は植物は最初から植わっているものなので元々植物好きじゃないと愛着が湧きにくいのです。
今までは気にしていない場所でも、庭があってよかったと思ってもらえるように頑張りますね!といつものように図々しい発言をした私でした。


先日初めて伺いました。
どうやら食べられる実ものがお好きだったようで、柿が5,6種類、柑橘類も何種類も植わっています。


以前も書いた気がしますが、剪定をみれば前任者がどのような気持ち(植物や仕事に対する想い)で手入れをしていたかはすぐわかります。

可哀想に全く愛を感じられませんでした。
植物を生き物として扱ってない。

かわいそうな木々たち....

これからは良くなるように手入れしていくからね。
と挨拶しながらの手入れ。


柿も豊作で収穫していると、この柿はどうやらとても美味しいらしく鳥さんが食べている様子。



今までは地面から収穫できる範囲だけスタッフの方が食べていたとのことでした。
脚立を使って収穫すれば全部取れるのですが、今まで楽しみにしていた鳥さんたちがあれれ?と思うのは可哀想だと少しだけ収穫せずに残してきました。

一緒に仕事をしてくれた子には「なんであそこだけ柿残したの?」と聞かれました。
「鳥さん用にね」と答えた私。


クリニックがお休みのときに伺うので先方にはお会いしていません。
今日、嬉しい返信をいただきました。


柿、おいしいかったですよね。
鳥用に木に実を少し残してらっしゃるのを見たときに
杉浦さんにお願いして良かったと思いました。
すべての生き物と共存し、お互いにその恩恵を受けあって
成り立っていく。
鳥の糞が肥料となりまた柿が育つ。
鳥が来ることで虫を食べて退治してくれる。
素敵な庭になることを期待しています。


柿を残して置いた意図を汲んでくださる方たちで本当に良かった


2018年10月10日水曜日

人生フルーツ

映画 「人生フルーツ」 
残念ながら私はまだ見ていません。

庭で収穫した完熟梅
でも、映画化される前に偶然本屋さんで「あしたも、こはるびより」という二人が書かれた本をかなり以前に購入して知っていました。

家よりも広い庭のなかに雑木林と畑。
のんびりと、でも庭仕事に忙しく毎日を幸せに暮らしておられました。

今年は7キロくらい作りましたが最高の仕上がり
世間の流れに疎い私は映画化されたことなど全く知りませんでした。
あるときにお客様からとっても素敵な映画をみて、あのように私も暮らしたいんですと言われました。
内容を聞いて「あしたも、こはるびより」のお二人だとすぐにわかりました。



ゆかりも好調 その後梅酢で紅生姜を作ります
その後、数件のお客様からやはり「人生フルーツ」が理想なんですと言われました。

お客様の中で数件は多くはないかもしれません。
けれど今まで理想の暮らしで映画でも、人物でも重なったことはありません。

なんだか、とても嬉しい。


お米も良い出来でした
そう。

私の理想の庭は日本庭園とかイングリッシュガーデン、今流行りの?雑木の庭とか定義されるものではないのです。
日々の暮らしの中で、季節を感じ、生き物を感じる。
野菜を収穫し、山菜採りや実ものの収穫。
楽しみ、生活する空間。


わらびとたけのこは春に収穫したものを塩漬けにして保存 都度都度塩抜きして食べています


暮らすことが楽しい庭。

もちろん、家より広い庭を持てる人はそんなにいません。
庭さえない戸建てが増える今。
けれども、その広くないかもしれない空間をいかに心地よい空間に変えていくか。


先日山で草刈りしてたら、出てきました.....


雑木ももちろん植えるけど、果樹だって植わっている。
でも、植物に無理はさせないように植栽位置や環境は配慮。
もっとも大事なのは統一感。

自然は大先生です。





2018年9月26日水曜日

帰ってきました

アイルランドより帰国しました
今回はとても濃い内容でした。
島のレジェンド ポーリックの農場 高さ2m超す高さに積まれています
もちろんドライストーンウィーリング(モルタルなど全くつかっていません)

何人かの友達ができたお陰でアイルランドについて、アイルランド人について短い間でも知ることが多かった今回。



変わった模様の牛さん


みんな本当にフレンドリーでとにかくよく喋る。そしてすごい早口。
日本語でもあんなに早くは喋られないと思う自分。
イギリスにいてイギリス人と話していてもなんとなく薄い見えない壁みたいなものを感じてきました。親切にしてくれても表面だけというか、社交辞令というか...


奥が去年の石積み 手前が今年

アイルランドではそれがない。

英語どこで勉強したの?とよく聞かれました。
イギリスには2年いましたが見事に一度も聞かれたことはありません。その後も数え切れないほどイギリスには行っていますが....ない。
彼らにとって英語は喋れるのが当たり前なのですね。実感しました。
それとよく聞かれたのが、子供はいるのか?いないというと次は両親は元気?
兄弟はいる?何番目?と続きます。これらはセットのように聞いてきます。

あと、街か田舎のどっちに住んでいるの?

岡崎は決して大都会ではないのですが、アイルランドに存在したら、大都会です。
答えに困りました。
何しろ、首都ダブリンを除けば岡崎市の人口を超す都市はないのです。
倉庫 ゲートの赤が利いています

外国に行くとわかりますが、自国民でツルムのは日本人だけではありません。
アメリカ人だって、ドイツ人だってつるんでいます。
去年も思いましたがアメリカ人は特につるんでいます。
ドイツ人とかはやはり自国語のが楽だからというのはわかるのですがアメリカ人なんて英語だからいいじゃん?と思うのですが、ほとんど他の国の人と交流しません。なぜ?

なのにアメリカ人観光客がものすごい多い。しかもツアーで。
まあ、アイルランドからアメリカに移住した人たちはとても多いのです。
これはアイルランドで起こったジャガイモ飢饉などが理由のひとつ。
ジャガイモ飢饉はアイルランドの歴史について読んでいるときに知りましたが、民族資料村みたいなところに友達と一緒に行ったら、そのときに使われた大鍋を教えてくれました。


また、森の中にはマリア様とかキリストの像が泉のほとりに祀ってある場所を時折みかけました。
なんでこんなところにあるんだろうと思っていたのですが、イギリスに支配されていたときの名残とのこと。
ああ、イギリスはイングランド国教会で、アイルランドはカソリックの国だった。
迫害の歴史の一つですね


イギリス人があまり好きではないということを読んだりしていましたがアイルランド人とずっと一緒にいるとある程度事実だなと思いました。確かに侵略されていたわけですから、当たり前といえば当たり前ですが...
実際におじいさんが独立戦争でイギリス兵に撃たれ生き延びたけれど、死ぬまで弾が体に残っていたという話も聞きました。

コニファーがいっぱい生えている場所があり、ここはコニファーが自生していると思っていたのですが、ガーデナーの友人に聞くとなんと植林だそう。
良くないのにとブツブツ文句をいう彼。

そう。
イニッシア島で石積みに参加する人たちはやはり自然派?志向が強いです。
化学物質とかを避け、添加物の入っていない食べ物を好む。
だからといって声高ではなく。
あくまでも自然体で。
写真の女性ルイーズがライムモルタル(日本で言う三和土です)で廃墟をリビルドしたコテージ 
このコテージだけでブログが一回書ける程の話があります

なんだか、共通点が多くとても居心地が良い。
すでに来年が待ち遠しい私です.....


アイルランドのカウンティ(州)がそこで産出される石で掘られ、
地元の石職人によって州の代表的なモチーフが表されています