現在計画中の庭の一つに高齢者施設の中庭があります
来年5月に10周年を迎えるにあたり中庭を整備したいとのご依頼でした
中庭と言っても分譲住宅なら何軒も立つ広さです
その高齢者施設は山の中にある地域密着型の施設で、私が最初に伺った日もその土地の地主さんがデイサービスに来ていた人たちと五平餅を楽しそうに焼いていました。
予算もあまり無いという事で私が提案したのは中庭作りを地域の人に手伝ってもらうことでした
何しろ山の中ですから多くの人が技術を持っている筈です
そして、地域の人に手伝ってもらえば施設がより身近になると考え提案しました。
そうしたら、私の想像以上に色々な人が善意で集まってくれています
それは施設の方たちが地域の人たちと今まで良い繋がりを持っていたということです
もう数回地域の方を含めた打ち合わせを行っていますが、毎回勉強させてもらっています
山の民の生活の知恵と言うのでしょうか?
長年生きて来た発言には重みがあります
前回初めて参加してくださった元山師のKさん
その大きな手はずっと仕事をしてきた事を感じさせてくれました。
私の計画図面をみて山野草の話になりました。
今の山にはオミナエシやキキョウが無くなってしまっている。
これらの植物は人々が山と関わって柴を刈ったり、薪の為に木を切って初めて存在できる植物なんだ。
人と一緒に生きて来た植物だ。
私は庭師さんと仕事をすることが圧倒的に多いのですが多くの庭師は植木は大事でもそれ以外の植物には興味がありません。平気で小さな植物を踏みつけ、ばんばん消毒をして虫を殺しています。。山で木を切り出す職業だった山師さんも当然そうだと思っていました。
でも彼は樹木も山野草も同じに見ていているのです。
山の人なら消毒大好きだろうとおもっていたら元山師のKさんも地主のKさんも消毒反対派でした。
そうか。私が作りたい空間は「庭」というよりは森や林に近いです。
植物も昆虫も野鳥も、そして人間も安らぐことが出来る空間。
うっかり今の山を見ていると山は杉やヒノキの植えられた暗い山をイメージしてしまいますが、本来の里山は明るい木漏れ日の差し込む空間だったのですよね。
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