2012年2月20日月曜日

相手に任せる 任されるという事

先日、京都の友人と話をしていました。
彼女のご主人は板前さん。
よくは知らないのですが(聞いても忘れる)多分とても腕の良い職人さんみたいで、ずうっと懇意にしてくださっているご夫妻が東京から3日間その板前さんの食事を食べる為にくるそう(!)毎回その方達が来るとなるとご主人はどういった料理を出すかずう〜っと考えているらしいのです。

その時期の旬のもの、組み合わせ、本人たちの好み、etc・・・
板前と客との真剣勝負です

いかに満足してもらえるか、今度はどのような料理を出してくれるのか
満足できなければわざわざ東京から食事には来てくれません。
私はこういった勝負が好きです。
お互いが相手を信頼して更に良いものを追求していく・・・

だから?(ただめんどくさい?)ビュッフェ形式とかあまり好きではありません。
ビュッフェは誰が食べるのか考えずに作られた料理です。
そして自分で好きなものを選んで見栄えの良くないプレートになるのは、悲しいのです。
料理は美しくあるべきだと思いますし、組み合わせも大事です。

信頼できる料理人の作る料理は相手のことを思って作られているはずです。
まさに職人仕事です。


私が自分で仕事を始めた時に考えた事は「プレタポルテではなくオートクチュールを作る」ということでした。
決して値段という意味ではなく、それぞれのニーズにあった庭を時間がかかっても依頼主が想像以上の仕上がりと感じて頂ける仕事をするということです。



相手のご要望をきちんと聞き、私の中で消化して相手の望む事をそれ以上の形にしていく事がものすごく楽しいし緊張感があります。


全て相手の言う通りにしたのではお金を頂く価値がありません。
私は庭をつくるのが職業なのですから、相手の想像以上の事をしていきたい。

リフォーム前の様子



現在、リフォーム中の岡崎市のA様邸。
本当は去年中に終わる予定でしたが、実際スタートできたのが今年に入ってからという本当に申し訳ない現場です。
ご要望はお聞きしましたが、「森の雰囲気」というくらいでした。
何度もお話をして先方の考える「森の雰囲気」を考えてリフォームも中盤に入りました。

何しろお忙しい方たちなのでほとんどお会いできませんが、先日久々にお話をしたところ、「こんな風になるのなら、もっと早くやってもらえば良かった。母が10年寝たきりだったから」といわれました。
そう、庭はお母様が寝ていた部屋から一望できるのです。

このような一言を頂けると心からこの仕事をしている喜びを感じます。

相手に任せるのは勇気がいります。
そして任されるという事は決められた事を行うよりずっと責任が出てきます。

私なりの真剣勝負です。

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